愛知県春日井市立高森台中学校の吹奏楽部では、生徒たちが自分たちで練習計画を立て、顧問の先生に相談し、全部員に共有する——そんな日常が広がっています。
今どういう状況だから、どういう練習をしなきゃいけないか。それをまず自分たちで考えて、こっち(教員)に相談しなさい、という形でやっています
こう話すのは、同校で音楽を担当し、吹奏楽部の顧問も務める菅利行先生です。
部員総勢30名を束ねる顧問として、菅先生の言葉の端々に、生徒への深い信頼と、Flat for Education(以降Flat)が部活動の中で果たす役割が、静かに、しかし確かに見えてきました。
菅利行先生のプロフィール

「学び方を教える」学校が育てた、自律する部活動
高森台中学校がこのスタイルを導入したきっかけは、コロナ禍でした。
コロナ禍で学校が止まった時に、学びも本当に止まってしまった。課題のワークを渡しても生徒が自身で進めることができない。その理由を追跡していったら、生徒が『どうやって勉強したらいいかが分からない』という壁に直面しているという結論にたどり着いたんです。
コンテンツを教える授業から、学び方を教える授業へ。この転換が学校全体のスタイルとなり、部活動にも波及しました。
本校の生徒は、どの授業でも自分で目標を立てるし、自分で学び方を考えるし、自分で学習計画も立てる。部活も同じようにやっていこうかということになりました。
現在は、部長と顧問の先生だけが入るチャットで午前中に打ち合わせを行い、お昼頃には全部員に練習内容が共有されます。
コンクールが近づくと、演奏中の様子を録音してチャットに送って、お休みした子でもフィードバックできるようにしていた時期もありました。
Flatの役割:楽譜の壁を、音で超える
吹奏楽部でのFlatの使い方は、授業とは少し違います。作曲やアレンジよりも、「楽譜を音で確かめる」ことが中心です。
楽譜を渡されて、ぱっとは読めないから、とりあえずFlatに打ち込んでみよう!という発想です。わーって楽譜をFlatに打ち込んで、自分のパートを作って、音を鳴らして、あ、こういう感じか。じゃあ練習しよう!ということを、結構いろんな子がやっています。
楽器を練習し始めたばかりの1年生にとって、楽譜を読んですぐに演奏するのは容易ではありません。でも、まずFlatに打ち込んで楽譜を再生することで、「こう吹けばいいんだ」というゴールが見えるようになります。紙の楽譜だけでは届かなかった理解が、音で補われるのです。
こうした“楽譜をICTで音にして確かめる”音楽ICTの活用が、部活動でも自然に広がっています。
指導員によるアレンジ:大編成の楽譜をこの学校に合わせて
生徒だけでなく、指導員の先生もFlatを活用しています。
指導員の先生が、吹奏楽のたくさんある編成を、この学年の子たちだけで演奏できるように、必要なものだけばっと集めて編集・アレンジするのに使っていたりします。
さらに最近では、PDFインポート機能を活用して楽譜をスキャンし、Flat上で編集する使い方も広がっています。
この間、歌の楽譜をスキャンしてみたら、ほぼ完璧に読み込んでくれて、助かった。
一から打ち込む手間が大幅に省けるこの機能は、楽譜の多い吹奏楽指導の現場で特に力を発揮します。

先輩の背中を追いながら育つ、1年生の成長
入部したばかりの1年生は、全員が楽器も初めてです。しかし菅先生は、1年生だけで基礎練習をさせることはほとんどしません。
基本的には、先輩たちと一緒に動きなさい、というスタイルにしています。1年生は必死にくらいついて行っていますよ。先輩たちの“空気感”っていうんですかね、それが良い緊張感を作っているんだと思います。
初見の楽譜をFlatで音にして確かめながら、先輩の演奏を目標に練習を重ねる。Flatはその橋渡しをしているといえるかもしれません。
まとめ
誰でも音楽を作れる、経験があろうがなかろうが、そこを打開してくれるのがFlatのいいところ
菅先生がこの言葉を語るとき、それは授業だけでなく、吹奏楽部の活動にも同じように当てはまります。
愛知県の中学校吹奏楽部(部員30名)では、Flat for Educationの記譜や再生機能に加え、部内の情報共有も組み合わせながら、生徒が自律的に練習計画を立てる文化が育っています。
楽譜を音で確かめ、自分たちで考えて動く。Flat for Educationは、そんな音楽教育の可能性を、静かに、しかし確かに支えるツールです。
Flat for Educationより
吹奏楽部でのご活用にあたり、特にお役立ていただける機能をご紹介します。

楽譜のPDFインポート 既存の楽譜をスキャンしてFlatに取り込み、そのまま編集や個人練習に活用できます。読み取り精度も年々向上しており、菅先生にも「ほぼ完璧に読み込んでくれて、助かった」とお言葉をいただいています。
初見演奏課題ジェネレーター 楽器別・難易度別の初見練習課題をAIが自動生成する機能です。楽器を始めたばかりの生徒の読譜力強化や、日々の練習のウォームアップとしてご活用いただけます。
詳しくはホームページをご覧ください。
取材協力:菅利行先生(春日井市立高森台中学校・音楽科・吹奏楽部顧問)